ホワイトの考え

野生の哲学者です。理由を考えるのが好き🫠

新規にリゼロの面白さを伝えます🧐

 

 



 3期放送を祝して🎉、リゼロの面白さについて語ります。ネタバレはありません。

 一期の放送は8年前のはずなのに、つい最近のように感じるな〜🫠

 あの時は「久しぶりにデカいの来たあああ」って一人で盛り上がってた記憶。

 一話を初めて見た時、クレジットに


スペシャルサンクス
小説家になろうからお付き合いくださっている皆様
書籍からお付き合いくださってる皆様
これからお付き合いくださる皆様

 
 って出てきて涙腺が緩んでしまった。

 ネット小説から実力でここまで上がってきたんだな~😭
 
 正直、リゼロに対しては好きが昂じて文句も山のようにあるのだが、この記事では好きな部分に焦点を当てていく。

◆軽いあらすじ

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 男子高校生・菜月スバルは、ある日突然、剣と魔法のファンタジー世界に誘われた。
 スバルは異世界で出会った仲間たちを滅びの運命から救い出すため、死して時間を巻き戻す〝死に戻り〟の能力で絶望的なループを繰り返してゆく……。

 リゼロは、同じ時間を何度もやり直すタイムリープストーリーと、ネット小説界隈で流行中の異世界転生をかけ合わせた物語だ。

 異世界転生物では、転生者に何らかの特殊な能力を授けられるのがお約束になっており、スバルの場合は「死に戻り」の能力を授かった。

 スバルと周囲の人間が「破滅の運命」に巻き込まれ、何度も死に戻りながら手がかりを集めて結末をハッピーエンドに書き換える、というエピソードが章立てで繰り返し展開される。

 めちゃくちゃ面白いので未見の方は是非見てほしい。

 一話目から拡大版で放送したり、二クールに納めるためにOPとEDを可能な限りカットするといった、アニメ史上類を見ない待遇を受けており、制作陣がいかにリゼロに力を入れているかが窺える。

 

◆ 主人公の対処能力を超えた脅威が襲いかかる

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 主人公のスバルは死に戻り能力を除くと、ごく平凡な男子高校生だ。

 各章ごとに襲いかかる「破滅の運命」の難易度はスバルの対処能力をはるかに超えており、タイムリープ前は毎回成す術もなく轢き殺される。

 この「襲いかかる脅威が主人公の対処能力を大幅に超えている」ところがリゼロという作品の魅力だ。

 一度死に戻っただけでは「破滅の運命」の全容を把握できず、スバルは再び運命に蹂躙される。

 そこからもう一度死に戻ってトライ&エラーを繰り返し、折れそうな心と戦いながらハッピーエンドを手繰り寄せる。

 リゼロは主人公が本物の凡人なので、戦闘力ではなく、単純な試行錯誤で敵と戦っていく。

 殺されてからセーブポイントで復活し、再び問題に対処していくさまはRPGゲームのようだ。

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「たとえサテラが俺と知り合ってなくても、フェルトは徽章を盗み、そしてエルザの奴が……」

 
 リゼロはスバルが視聴者と同じ目線で運命と戦っているため、主人公が喋らないゲームと同等レベルで没入感が高い。

「おいおい、こんなのどうやって解決するんだよ。もう詰んでるじゃないか」という感情を、運命に弄ばれるスバルと共有できるのだ。

 リゼロは「俺がやらなきゃ終わりだ」って重責と、主人公の無力さからくる絶望感が尋常じゃない。

 スバルがなんとかしなければバッドエンドなリゼロ世界では、スバルの裁量がすべての存亡を左右する。

 

◆新しい情報が混乱を引き起こす

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 突然異世界に放り出されたスバルはリゼロ世界について何も分かっておらず、いきなり知らない単語が飛びだしては面を食らう。

 しかも知らされるのは決まって無知が裏目に出た後だ。

 スバルはこうして痛い目に会いながら、リゼロ世界には自分の知らない常識や法則が存在するのだと知る。

 リゼロで良いニュースが舞い込むことはほとんどない。

 スバルに新しい情報がもたらされたとしたら、それは悪いニュースか、意味を解釈できないニュースのどちらかである。

 悟った時にはすでに手遅れだ。リゼロ世界は徹底的にスバルを追いつめ、新しい情報の引き換えに、かならず心と身体の苦痛を要求する。

 この現在進行形で巻き込まれている事件の分からなさと、リゼロ世界の未知領域からくる不安感が平行している感覚がたまらない。

◆ 頑張ってるのに誰にも分かってもらえない

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 スバルは能力の制約で、死に戻りしていることを他者に話せない。

 スバルは異世界にやってきて日が浅く、すべての人間関係が結ばれて間もない。

 だから死に戻りするとスバル以外の人間はスバルと過ごした時間の大半を忘れてしまうのだ。

 お互いに向ける感情にギャップが発生し、助けたいと思っている相手が、なぜそこまでと不可解そうにする。

 しかもそういう展開の時って、だいたい嫌なことがあってメンタルを削られている時なんだ。

 孤独は精神的に追い詰められている時ほど骨身に染みる。

 周囲はスバルが死に戻り能力者であると知らないため、はたからは無力な子どもにしか見えない。有能な人物ばかり登場する分、余計にスバルが滑稽に映ってしまう。

 だが実際はスバルが動かないと「破滅の運命」が物語をバッドエンドに導いてしまうため、首を突っ込まざるを得ないのだ。

 しかしふりかかる脅威はスバルが何とかできる範囲を超えており、周囲の認識通りの顛末が待っている。

 物語では、主人公がどれだけ苦しんでいるかが面白さの指標になり得る。

 アニメ放送当時、スバルを嫌っていた視聴者すら同情するほどに、スバルは苦しめられていた。
 
 俺はスバルのことが好きだったので、スバルが頑張る様をかなり感情移入して見ていた。

◆ハイパーキャリー菜月スバル

 対戦ゲームで味方チームを勝利に導く(運ぶ)ことを「キャリーする」って言うんだけど、この〝リゼロ〟っていう物語をキャリーしたのは間違いなくこの方。

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菜月スバル

 

 まさに主人公の鑑。

 彼がやって見せたのは、それはもう、呪術廻戦の五条悟並みの大キャリーですよ。

 スバルの仕事を助けたこのお二方にも拍手👏

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 スバルは、転生前は高校に通えずに家に引きこもってるような奴で、まっすぐ言ってしまうと社会不適合者なんだ。

 彼の社不の片鱗は、転生直後から早くも見え始める。

 

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人通りの多い広場

 

 スバルは都会の人通りの多い広場に転移すると、晴天に響きわたるような声量でこう叫ぶ。

「これってまさか、ひょっとして、異世界召喚ってやつ〜!?」
 
 このことから分かるように、社不といっても、根暗で目が合わず、声が小さくて、話しかけても反応が返ってこないタイプではない。
 
 彼はその逆で、根明でアグレッシブ、暗黙の了解を無視して会話のドッヂボールを仕掛けてくるタイプの社不だ。

 スバルを見ていると、話しかけているのか独り言なのかよく分からないことがある。多分、どっちの時も同じ筋肉を使ってるんだと思う。

 リゼロの登場人物はいい人が多い。

 スバルがわけ分かんないことを捲し立てても大抵は受け流してくれる。

 そして、受け流して貰ってるからこそ、より濃厚に漂う社不のオーラ。

 このようにかなり癖の強い、人によっては嫌悪感すら催すような主人公なのだが、それでもこの作品の主人公はスバルじゃなきゃダメなんだ。

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 リゼロはスバルの物語だ。

 彼がどんな人間で、この世界に来るまでにどんなことを考え、どんな人生を送ってきたのか、そのすべてが物語に反映されている。

 正直、ハイファンタジーとして面白いかと言われると、ネット小説の基準ならいい感じというのが穏当な感想だ。

 ではなにが面白さの源泉なのか。半分はストーリーの発想力や構成力であり、もう半分はこの菜月スバルという主人公を介した感情体験なんだ。

 能力が〝死に戻り〟なだけあって、スバルは本編で痛い思いをしまくるのだが、それ以上に精神に対する攻撃の手が凄まじい。

 まるで世界のあらゆるものが、スバルを痛めつけるという目的のもとに集まり結託しているかのように、多方向から精神攻撃をお見舞いしてくるのだ。

 スバルは多方位からのめった打ちの果てに、自分の脆く、醜く、恥ずかしい部分に正面から向き合うことになる。
 
 このリゼロという作品は、彼が数々の試練を経て、自分の内面に深く潜り込んだからこそ、味わい深い物語になったんだ。

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◆あとがき

最後まで読んでくれてありがとう!

続きの記事も書いてるので、よかったら見てねー!🫠

 

 

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